理学療法士(PT)とは
理学療法士(PT)とは
理学療法は、一般的に「PT(Physical Therapy)」とも呼ばれています。
法律(言語聴覚士法)では、以下のように定義されています。
(前略)「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。(後略)
理学療法の対象となる人や疾患について
理学療法の対象となる人について
疾患や怪我、障害や加齢などが原因で日常生活に支障が出ている人または、その恐れがある人などです。
疾患や怪我、障害や加齢などが原因で、リハビリを必要とする人なので、乳幼児から高齢の人など、あらゆる年齢層、性別の人が理学療法の対象となります。
理学療法の対象となる疾患について
理学療法の対象となる疾患には、以下にまとめてみます。
- 中枢神経疾患(脳梗塞、小児発達障害、脳性麻痺など)
- 運動器の疾患(手足や脊椎の骨折、四肢の切断など)
- 呼吸器疾患(肺炎や喘息など)
- 心疾患(心筋梗塞や狭心症など)
- 内科的疾患による体力低下(術後の体力低下、糖尿病など)
以上が理学療法士ついての業務や対象範囲です。
専門的な用語などでなかなかわかりずらいこともありますが、それらも踏まえて以下では、その理学療法士が訪問において、どのようなリハビリテーションを行い、その方向性をお伝えいたします。
訪問リハビリテーションとは?
まずはじめに「訪問リハビリテーション」についてですが、介護保険法の第一章 第八条では、以下のように定義されています。
訪問リハビリテーションの対象者について
- 主治医が訪問リハビリテーションが必要と判断された方
- 通院困難な方
- 要介護1以上(要支援1以上)
- 嚥下障害
※要支援(1~2)の方は介護予防訪問リハビリテーションの対象
※40~64歳の方でも特定疾病により介護認定が下りていれば利用可能。
訪問リハビリテーションでできること
病院の観察
- バイタルチェック
- 病状の観察や助言
- 精神面の健康状態の確認と助言
- 介助者の健康状態の確認と助言
- 再発予防と予後予測
身体機能の改善
- 身体機能(筋力、柔軟性、バランス等)の維持、改善
- 痛みの評価と疼痛緩和
- 摂食嚥下機能やコミュニケーション機能の改善
日常生活の指導・助言
- ADL(日常生活活動)の指導、福祉用具または補助具、住宅改修の評価と相談
- QOL(生活の質の向上)や趣味、社会的参加促進のための助言
介護相談、家族支援
- 療養生活、家族への介護指導、精神的な支援
- 福祉制度利用の助言、相談
訪問リハビリの方向性
訪問リハビリの方向性のキーワードは以下になります。
- 「自立支援」
- 「社会参加支援」
- 「卒業」
- 「効果的なリハビリ」
視点とアプローチについて
従来の医療・介護型の訪問リハビリは、焦点をあてて「弱み(ウイークネス)」にあてて、アプローチし課題を解決するものです。その一方で「ストレングスリハ(生活行為向上)」では、焦点を「強み(ストレングス)」にあてて、アプローチし課題を解決するものがあります。
訪問リハビリテーションでは、この2つの視点とアプローチが、両方のアプローチをバランスよく提供することが大事になってきます。
理学療法士からひとこと
私たち訪問リハビリテーションは、ゆずりは訪問看護ステーションからの訪問となり、現在、理学療法士、言語聴覚士が1名ずつ配置されています。
そしてその「ゆずりは訪問看護ステーション」のある建物内には、
- ゆずりは訪問診療所(訪問診療)
- まつりか訪問介護ステーション(訪問介護)
- ひまわり居宅介護支援センター(居宅介護支援)
があり、多職種連携がとりやすい環境が整っている事業所になっていると思います。
またその多職種とは、合同でカンファレンスや勉強会を定期的に行っているため、お互い気心が知れて、顔の見える連携が取れ、その連携を活かしたもリハビリサービスを提供していることが特徴です。
また私たち法人では、法人内に緊急往診や看取り数において、県内有数の実績数を持つ訪問診療所の「ゆずりは訪問診療所」があり、その診療所には経験豊富な医師がいます。
その医師と連携をとり、指示を受け、多くのターミナルや難病の方々などに、必要に応じたリハビリテーションを行っております。
私たちは以下の目標を掲げています。
- 「病院で治すリハビリ」から「在宅で支えるリハビリ」を提供
- 継ぎ目のないリハビリテーションの提供
私たちの今後、以下の課題にも積極的に取り組んでいきます。
- 「食」への支援にも重点を置くこと
- 小児の訪問リハビリテーションも展開していくこと
「食」への支援に関しては、「栄養ケア」「摂食・嚥下ケア」を通じて治療的側面と生活支援的側面の両面から在宅生活を支えていく予定です。